›April 19, 2009

エビネ

Calanthe discolor Lindl. [エビネ]

 またこの時期がやってきた。素敵な花に会うために道無き道を歩き続ける。
 今年はどんな花に出会えるだろうか?

›February 06, 2007

ハチジョウテンナンショウ

Arisaema hatizyoense Nakai [ハチジョウテンナンショウ]

 マムシグサとの違いは、二枚の葉の大きさに違いが無く、仏炎苞が緑色、付属体の先端が太くならないなど。3月頃から花が咲き始めてきます。

 テンナンショウ属は雌雄異株。雄株は仏炎包の基部に隙間が空いていて花粉をつけた虫がちゃんと出られるようになっています。じゃあ雌株は?雌株には隙間が空いておらず虫が出られないようになっています。受粉に利用されてしまった虫はちょっとかわいそうですね。

 それにしても、子孫を繁栄させるための戦略って凄いです。

›November 19, 2006

キッコウハグマ

Ainsliaea apiculata Sch.Bip. [キッコウハグマ]

 すごくかわいい花が咲く、キッコウハグマ。漢字では「亀甲白熊」と書きます。写真には写っていませんが葉が五角形で亀甲に見立てての名前、白熊はシロクマではなくヤクの尾の毛を意味しています。

 よく見ると3つの小花がひとつになっている不思議な花、ひとつの小花には5つに分かれる花冠があります。その先がクルクルしてるのがかわいいですね。(全部で15枚の花びらがあるひとつの花にも見えます。)

 今年は無線の路や唐滝への道で花が見られました。今ならまだ咲いているかもしれません。

›July 23, 2006

ハマオモト

Crinum asiaticum L. var. japonicum Baker [ハマオモト]

 葉がユリ科のオモトに似ていることからハマオモト(浜万年青)と名付けられました。ハマオモトはヒガンバナ科、属は違いますが花の付き方(散形花序)はヒガンバナに似ています。上の写真は一つの花をアップにしています。この写真のように花粉がしっかり付いている花を探すのも苦労します。

 ハマオモトの種はコルク質で、水に浮きます。海流に“どんぶらこどんぶらこ”と乗って、八丈島までたどりついたのでしょう。そのため海岸沿いに多く見られるわけです。
 6月頃から8月頃まで咲いている、夏を代表する島の花ですね。

 種を拾って土の上に置いておくと芽が出てくるので、小さな鉢に移して楽しむのもいいですよ。

›April 10, 2006

ハチジョウチドリ

Platanthera mandarinorum Rchb.f. subsp. hachijoensis (Honda) Murata
[ハチジョウチドリ]

 島にあるラン科植物の中で、早く咲き始めるハチジョウチドリはヤマザキソウが島で特化したものです。花が緑のためなのか、他のラン科植物より注目を浴びていない気がしますが、数も多く観察しやすいので私は大好きです。

 ハチジョウチドリが咲き始めると次々に他のラン科植物の花も咲き始めます。ラン科植物マニアには忙しい時期になりますね。

 防衛道路や鴨川林道を歩く時は側壁を見ると沢山あります。花を下から見ると面白いですよ。(画像は昨年撮影したものです)

›February 14, 2006

オオシマザクラ

Cerasus speciosa (Koidz.) H.Ohba [オオシマザクラ]
 島のサクラと言えばこのオオシマザクラですね。3月上旬からポツポツと咲き始め、3月下旬から4月上旬には満開になります。(この写真は、2005年4月5日に撮影したものです)
 その頃になると、八丈富士や三原山の中腹当たりが、所々、オオシマザクラで白く見えます。

 島の木々は炭を作るために切られているものが多く、特にこのオオシマザクラは炭材などによく使われ、株立ちになっているものがほとんどです。

 5月下旬には、ちょっと甘酸っぱいサクランボがなります。このサクランボを食べるには、鳥(虫も)との争奪戦をしないといけません。食べると手が紫色になるので注意!

›November 20, 2005

イズノシマダイモンジソウ

Saxifraga fortunei var. jotanii (Honda) Wakab [イズノシマダイモンジソウ]
 秋の終わり頃に、山の上から咲き始める、とってもかわいい植物です。

 名前の通り、花びらが“大”のように見え、雄しべの花粉がピンクで、花びらの白と一緒に撮影するとさらにかわいく写りますよ。

 11月の終わりから12月にかけてが一番の見頃なので、ちょっと山に出かけてみるのもいいかと思います。

›October 16, 2005

カゲロウラン

Zeuxine agyokuana Fukuy. [カゲロウラン]
 花が小さく目立たないので、見つけにくいですが、良く探すといろいろな場所で目にすることが出来ました。

 良く見ると歌を歌っているように見えるのでアップで撮ってみました。花だけのアップだと、どんな植物か分かりにくいですが、想像する楽しみもありますしね。
 もっと詳しく知りたい方はネットで検索するといろいろな写真が出来ますので、そちらを参考にして下さい。

 学名が、Hetaeria agyokuana になっているサイトもありますが、“Wild life Hachijojima”では「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)の学名で紹介しています。

›June 07, 2005

ネジバナ

Spiranthes sinensis var. amoena H.Hara [ネジバナ]

 日当たりの良い草地に良くはえているラン科植物です。花は基本的にはピンク色、白いものや緑のものがありますが、同じネジバナです。空港通りには花の白いものがあるようです。(花序に毛のないものは、ナンゴクネジバナとして区別します)
 草地にはえるので植物公園などでは刈り取られてしまうこともあります。

 ネジバナの名の通り、花がねじれています。さて、右回りでしょうか?左回りでしょうか?

 じっくり観察してみて下さい。

›May 01, 2005

ニオイウツギ

Weigela coraeensis var. fragrans (Ohwi) H.Hara [ニオイウツギ]
 スイカズラ科の落葉低木で、ハコネウツギの変種になります。分布範囲は狭く、伊豆七島だけのようです。
 ハコネウツギより花冠が短く、香りが強いです。花は白から薄紅色に変わり、島では色が変わった後に花が少し汚くなってしまうので、撮影には苦労します。
 例年は5月中旬より咲き始めますが、今年は花の咲きが少し遅いようなので、どうなるでしょうか?

 標高の少し高い場所に多いですが、町中でも見ることができますね。

›January 15, 2005

キダチロカイ

Aloe arborescens Miller [キダチロカイ(キダチアロエ)]
 八丈島の路地にあるアロエの本当の名前は「キダチロカイ」と言います。中国からアロエがやって来た時、中国名の「蘆薈」をそのまま日本語読みにして「ろかい」と発音したためらしいですが、最近では学名読みの「アロエ」が一般的になってきました。ちなみにキダチロカイは「木立蘆薈」と書きます。

 島では、屋外でも越冬し、種子をつけることもあります。
 毎年、12月23日から1カ月間、大越アロエ園でヘルシーフェスタが開催されています。無料接待もありますよ。

 上の写真はひとつの花をアップで撮ったものです。

›November 28, 2004

ハチジョウアキノキリンソウ

Solidago virgaurea var. praeflorens Nakai [ハチジョウアキノキリンソウ]
 ミヤマアキノキリンソウの変種。背丈が低く、花が密集して咲きます。

 八丈島にはこの仲間はハチジョウアキノキリンソウと帰化種のセイタカアワダチソウしか在りません。ハチジョウアキノキリンソウは八丈富士側では少なく、三原山側で多く見られます。乙千代ヶ浜に降りる道沿いは見やすいですね。乙千代ヶ浜にあるのはワダンでした。

 たくさんの花が順番に咲くので、写真を撮り忘れると一部枯れている花が写ってしまいます。けっこう虫も集ってるんですよね。

›October 16, 2004

ハチジョウシュスラン

Goodyera hachijoensis Yatabe [ハチジョウシュスラン]
 夏の終わりから秋にかけて常緑樹林下で普通に見られます。学名のhachijoensisは八丈島のという意味です。
 葉の中肋に沿って白色の帯状斑があります。無いものをオオシマシュスラン、白い格子状の網目のものをカゴメランと言うそうですが、見てるとなんだか一緒に見えてきます。花の形なども少し違うようです。

 けっこう島の中にたくさん咲いてますが見落としがちな花ですね。

›September 11, 2004

シマクサギ

Clerodendrum izuinsulare K.Inoue, M.Haseg. et S.Kobay. [シマクサギ]
 1997年に新種として発表されたシマクサギは、八丈島のいたるところで見られます。8月上旬から花が咲き始めるので夏の花ですかね?秋の花?
 実は染料にもなり、綺麗な青い色が出ます。

 アマクサギとは、萼が赤くならず緑のままであるなど、違いはいろいろとあるようです。島で見られるのはみんなシマクサギです。

›August 23, 2004

ハチジョウコゴメグサ

Euphrasia hachijoensis Nakai ex Furumi [ハチジョウコゴメグサ]
 「八丈島の生きものたち」というタイトルのわりに、どこにでもいる生きものばかり紹介していたので、今回は八丈らしい植物です。

 ハチジョウコゴメグサは御蔵島と八丈島でしか見られない一年草の植物です。八丈島でも一部でしか見られない貴重なもので、環境省の発行しているレッドデータブックの絶滅危惧IB類(EN)に指定されています。

›August 14, 2004

ナンバンギセル

Aeginetia indica Linn. [ナンバンギセル]
 夏の終わりのこれからが見頃の花。
 寄生植物で、ススキやミョウガ、サトウキビなどの根に寄生するそうです。島ではススキ(ハチジョウススキ)ですかね。
 結構いろいろな所で目にしますが、八丈富士の鉢巻き道路を探せば簡単に見つかりますよ。

 「道の辺の尾花が下の思ひ草今さらさらに何をか思はむ」
 万葉集に読まれた「思ひ草」がナンバンギセル、「尾花」がススキです。

›July 26, 2004

ハマゴウ

Vitex rotundifolia L. fil. [ハマゴウ]
 夏になると海岸沿いにたくさん咲くこのハマゴウは、地を這うように広がる樹木のため、草花の図鑑には出ていません。
 果実は蔓荊子(まんけいし)と呼ばれ、生薬として利用するそうです。島に薬のない時代には使われていたのかもしれません。ちょっと独特の香りがしますね。

 枕の中に入れると安眠に効くらしいので今度試してみようかと思います。

›July 19, 2004

ネコノシタ

Wedelia prostrata (Hook. et Arn.) Hemsl. [ネコノシタ]
 別名のハマグルマで呼ばれることもあるネコノシタは名前の通り、葉がネコノシタのようにざらざらとしています。
 海岸沿いにあるこの花は、潮風の所為か花びらが綺麗にそろっている花があまりないのが残念です。カメラ泣かせの花ですね。

 猫になめられたことのある人にはぜひ触ってほしいです。